FAKE(フェイク)|ドキュメンタリー映画|2016年日本|出演:佐村河内守、佐村河内香、ネコ、森達也|監督:森達也|プロデューサー:橋本佳子|撮影:森達也、山崎裕|編集:鈴尾啓太
▽ネタバレなしから▽
とても感動しました。
私はダメな所がある人間が一歩すすむことを決意するお話が好きです。そういう映画でした。また、夫婦愛についても感動しました。うちの夫婦に過去にあったこととも重なって泣きました。
笑いもけっこうあります。
衝撃のラスト12分は、ここでは言えないですが、素晴らしいです!! 疲れている人に、または世間に叩かれている人にこそオススメです(⌒▽⌒)
※映画館ユーロスペースにて鑑賞。今日2016.6.28からは大きなスクリーンでの公開になりました。平日最終の18:30の会で7割埋まる人気。
Fake [féɪk]……偽造する。見せかける。いんちき。虚報。誰にも言わないでください――衝撃のラスト12分間
『A』『A2』以来実に15年ぶりの森達也監督作。佐村河内守氏の自宅でカメラを廻し、その素顔に迫る。取材の申し込みに来るメディア関係者たち、ことの真偽を取材に来る外国人ジャーナリスト…。市場原理によってメディアは社会の合わせ鏡となる。ならばこの「ゴーストライター騒動」は、社会全体が安易な二極化を求めていることの徴候と見ることもできる。はたして何が本当なのか? 誰が、誰を騙しているのか? 映画は、この社会に瀰漫する時代の病をあぶりだしながら、衝撃のラストへとなだれ込む。
佐村河内守氏をめぐる騒動について
聴覚障害をもちながら、「鬼武者」などのゲーム音楽や『交響曲第 1 番《HIROSHIMA》』を発表し、「現代のベートーベン」とまで称賛された佐村河内守氏。しかし「週刊文春」で音楽家の新垣隆氏が佐村河内氏との関係を告白、掲載翌日の会見で佐村河内氏のゴーストライターとして18年間にわたり作曲をしていたこと、佐村河内氏が楽譜を書けないこと、耳は聞こえており、通常の会話でやり取りしていたと語った。いっぽう、佐村河内氏は、主要な楽曲が自身だけの作曲ではないことについては代理人を通じて公表し、後の会見でゴーストライター騒動を謝罪した。しかし、新垣氏に対しては名誉棄損で訴える可能性があると語った。そして、その後はメディア出演を断り、沈黙を続けている。(引用元:ユーロスペースサイト内説明より)
公式サイト:http://fakemovie.jp/
▼ネタバレ▼
ラストの12分、この部屋で、
佐村河内守さんが作曲します!!!
演奏することで本当に音楽家なんだ!ということが示されます。
これまで、音楽家「新垣隆」さんはテレビで演奏を披露していますので作曲できる能力があることは証拠があり証明されていました。ですが、佐村河内さんはありませんでした。このことを、海外メディアの取材でも突っ込まれていました。
そして、ラストで
「企画案・指示書?を書いている姿」を「鍵盤の前に座って作曲する姿」を見せてくれました。本物!?と言ってよいと思います。
「ふたりを、夫婦を撮りたかったんだとわかった。」と森達也監督
私も、冒頭から夫婦の関係性について描いた内容だなぁと思っていました。普段、佐村河内さんは、補聴器をつけていないのでほとんど聞こえなく、会話が困難です。そのときは、奥さんの香さんがすべて手話で通訳してくれます。
耳が聞こえたのか?
この疑問については、森さんが直接確認するシーンがありました。
- 「大きな音」は聞こえる。
- 普通のボリュームでも、歪まないで「聞こえることがある」。
- 「補聴器」つければ作曲できる程度に聞こえる。
という状態でした。
「笑い」ポイントあり
- ネコ (話が膠着している状態のときによく映されます。)
- 食事シーン、守さんは香さんの食事にすぐ手を付けず、成分無調整豆乳を1リットル飲んでから食事します。「食べる前に、お腹一杯になるんだ。」とこだわりを言います。
- 海外メディアからの取材での容赦ないツッコミ。部屋に楽器ないの!? 音楽好きなの?
- 新垣隆いじり。新垣さんの活躍を佐村河内さんが何度も見るシーンがあります。おしゃれ雑誌に載ったり、バラエティ番組に出たりするシーンを見て小言を言います。
映画内の出来事やストーリー構成(展開について)
- 佐村河内さんと森監督の顔合わせ、取材意図を伝える。
- テレビで取り上げられたニュース映像を見る
- 基本的な質問と、森監督が聴覚チェック
- テレビ局の取材1
- テレビ局の取材2
- マンションで消火器が壁に投げつけられることがあり、警察がきている。
- 正月両親がくる。被爆者であること証明。父が語る。
- 海外メディアからの取材
- 聴覚障害者のメンタルコーチ?をしている方とのやりとり
- 新垣隆 出版記念イベントに、森監督
- 出版業界の賞の授賞式に表彰者で参加。(神山典士が佐村河内事件の報道で受賞だが、来なかった)
- シンセサイザー・キーボード購入
- 作曲シーン
- 完成曲を森監督と妻に聞かせるシーン
※順番など私の記憶違いの可能性あります
ラストで佐村河内さんは「些細なことでも美しい」と感じるようになります。
佐村河内さんはずっと闇にいたのだと思います。クライマックスで作曲し、闇から抜け出し、奥さんが買ってきたケーキのかわいらしさに感動します。ディティールの凝ったチョコケーキに素敵だと。闇から抜け出し光が見えてきているようです。
そして、
ラストのラスト、
森さんが「私に、隠していることはもうないですか?」と聞きます
佐村河内さん「。。。」
無言10秒、
何か言うかも
だけど
返事を待たずに映画は終わります。
どうとらえるかは、あなたにゆだねます。という森さんの編集でした。
私は、彼は「どん底から抜け出したのだろう」という光を見ました。
私自身、結婚しているのに仕事をばっくくれて、半年小さなアルバイトだけして、後は、妻に食わせてもらっていいたことがありました。
佐村河内守さんも似た状況です。自分に非はないんだ!周りが悪いんだ!と否定し前に進むことを考えていませんでした。
ですが、佐村河内さんは、ラストで決意します。
「作曲をして、演奏をして、証明するんだ!」という想いです。
海外メディアからのストレートなツッコミと森監督が背中を押してくれたために一念発起し、シンセサイザーのキーボードを購入し、あくる日に作曲を始めました。
私は泣きました。
奥さんは、口うるさく言わずに、ずっと待っていました。
私の妻も一緒です。ありがとう。
映画から改めてパワーをもらいました。ありがとうございます。
今後の活躍を期待しています。
映画「FAKE」森達也監督独占インタビュー
一番の悪は、神山典士氏と感じる
新垣隆さん佐村河内守さんは、優しい人と感じました。神山典士氏が二人の単なる痴話げんかをネタに金儲けをしているといえる見立てができますね。ある方の考察の記事:http://stormsurfrider.blog100.fc2.com/blog-entry-79.html
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